こんな晴れた日は

平日にもかかわらず、自転車を修理にあずけた帰りがてら、街を散策して仕事場に帰っている。まさにBeautiful dayだ。木漏れ日と遠くの草原に浮かぶ雲が私を詩的かつ感傷的な陶酔に誘ってくれる。ふと、「夏の庭」という言葉が浮かんだ。春でも冬でも秋でもなく、夏である。同名の小説を知っていて思い浮かんだのだが、読んだことはない。ただ、「夏の庭」という響きが、午後の夏の昼下がりの庭にさす太陽の光や眩しいほどの青い空の中に時折感じる黒い陰りをまず想像させ、次に、禁じられた何かを感じさせる物語の一場面へと私を妄想させてくれる。陳腐な妄想へと誘う言葉だが、私の好きな言葉のひとつだ。