残照

職場の似顔絵は、なかなかの好印象を得る。いくら長期間やっていなくても衰えないので、私はこの能力のために生まれてきたのであって、そういう関連の仕事をしたほうがいいのではないかと、ごくたまに思う。その後、職場では別名アーチストとなっている。
   12月、霧と薄曇りの中、街中にクリスマスの賑やかさが瞬いている。最近は昼間仕事に集中しているせいか、夜家に帰ってきてから仕事の続きをする気力があまりない。ぼんやりした頭で、なにやっているんだ、うまくいっているのか俺は、と寝転がっている。得難い出会いや経験に恵まれただけに、後悔はない。ただ、この先は闇だ。