日本的な絵

日本に短期滞在していたRobertからanimeの本をお土産にもらう。登場人物の一人が私と同名であるので、Robertと一緒になかなか乙なお土産だと感じる。
   最近、animeを見ることで時間を無駄にすることが多い。物語の内容はあまり重視せず、背景や人物の動作の描き方を見るのにはまっている。また、お決まりの形式(男主人公がヘタレで女が戦う設定等)の観察もおもしろい。こういった形式は、世界系とか社会学的にくくられていたりするみたいだが、掘り下げると意外と奥が深い学問的なものになるのだろう。私は、日本画(水墨画)や浮世絵の延長上に今の日本のanimeがあると考えている。平面的な画法だけでなく、風景や人物の描き方の形式、情景の表現方法は、共通点が存在する(富士や花鳥に対して夕暮れの街や服装、キャラクターに置き換わってはいるが、一定の形式や目的でいれたりする点は守られている。)。絵の線と線、色と色の行間からほのかに人物や風景の機微を読み取とる性質上の共通点もある。西洋でも油絵をはじめとした絵画芸術は宗教的、社会的な形式を守って描かれてきたが、その絵は目で見たそのままの実物を反映していて、鑑賞者に曖昧な線や色の行間を補う作業を強いない。そう考えながら、animeは芸術の表現の一つとしてもっと評価されてもいいなと思う。
   一部の良いと思うanimeに刺激されて、こういう表現できたらとか私も描きたいと思うのだから、純粋に絵を描くのが好きなんだな、と気づくときがある。また勇気や希望をもらうこともある。まあ、表立って言うとやや問題ではあろうが、子供だけでなく大人(otaku,hentai?)を感動、関心させる、そういうanimeを作っている人をうらやましいと思っているのだ。表現者として尊敬する、と言っていい。まあ、これは後付けの弁解だ、今日も単純に時間を無駄にしたことへの。。。